「誰もが幸せになるまで、誰も幸せになれない」

格差社会の問題点は、誰もが知っているはず。けれど、世界一の格差社会である南アフリカのツツ元大主教は、最近改めて冒頭の発言をされました。

富裕層は幸せであり、貧困層は不幸せ、それが格差社会での一般認識と思いますが、「誰も幸せになれない」という発言には、どのような意味があるのでしょうか。

富裕層と貧困層、持つものと持たざるものの間には溝が生まれ、その溝から社会全体に毒が流れ出します。富裕層の無理解により社会は回復せず、貧困層は更に苦しみ、その不幸は衛生や治安として富裕層にも重くのしかかります。

情報技術においても、誰もが気軽にアクセスできるようになるまで、我々も本当の幸せにはなれないのかもしれません。

たぶん、誰もが最先端のテクノロジを扱えるようになることはないでしょう。けれど、意思を持ち続けることは、テクノロジ自体にとって重要です。

世界がぜんたい幸福にならないうちは、 個人の幸福はあり得ない